自転車レースに付き物の落車。
ヒルクライムでは起こる事はほとんどなく、あったとしてもスピードが遅いため怪我の程度は軽度です。
しかし、エンデューロやクリテリウム、もちろんロードレースの場合、スピードが40km/h以上出るのが当たり前。
しかも、集団で走る事もあり他の走者の落車に巻き込まれる事もあり、防ぎ切れない場合もありますよね。
当たり前ですが、落車をすれば車体の損傷だけで無く、自分自身の身体も傷付きます。
これはアマチュアであろうが、ツールドフランスを走る様なトップのプロでも一緒。
プロでも落車をすれば、膝や臀部に擦り傷を負います。
そんな怪我を少しでも軽減するために開発されたのが、ダイニーマという繊維をしたビブショーツ。
ダイニーマはロードレースチームのスポンサーでもあるDSM社が製造している素材で、軽量でありながら防刃性や摩擦耐性に優れた繊維素材で、ダイニーマで作られたロープは鋼線ロープの7倍の強度があるという。
これは落車して、表面の生地が破れてしまっていますが、その下のダイニーマは無傷の状態です。
そんな生地で作られたビブショーツですが、イタリアのサイクルジャージのメーカーのカステリが逸早く製造しています。
私は2年ほど前にカステリのダイニーマを使ったビブショーツを見つけ買ってみました。
2019年9月の富士チャレンジで落車に巻き込まれて以来、エンデューロへの出場を控えていたのですが、やっぱりエンデューロにも出場したいと思い、落車時のダメージを少しでも減らすため、このダイニーマビブショーツを購入。
物はこれです。
見た目は普通のビブと変わりません。
パッドはカステリの上位グレードに採用されるPROGETTO X2パッド。
サイズはSで、重さは195gほど。
因みに、同じパッドを使用しているエンデュランスビブショーツの同サイズは169gでしたので、若干ですが重さがあります。
ヒルクライムで使うジャージではないので、それほど気になる重さではありませんが。
ダイマーニが使われているのは、前ももの上部から臀部にかけての部分です。
その部分はダイニーマの生地と薄手の布の生地の2重構造になっているため若干厚みを感じ、ダイニーマの生地にはザラっとした手触りがあります。
その部分も伸縮性があり着用した感触としては、普通のビブショーツとそれほど変わりなく、着心地は悪くはありません。
ただ、同じカステリのFree Aero Raceといったレース用ビブショーツほどのしなやかな着心地の良さはないかなぁ。
どちらかと言えば、スタンダードグレードのENTRATA シリーズのビブショーツの履き心地に似ています。
やはりダイニーマの部分が若干、突っ張る感じがあるためでしょうか。
しかし、走り出してしまえば、そんな事は全く気にならなくなり「Free Aero Raceのビブを着てたっけ!?」と勘違いしてしまうほどで着心地は悪くないです。
(そもそもENTRATAビブショーツも十分に優秀なビブです。)
30°程の気温の中、走っても普通のビブと何ら変わらずの着用感で、特に蒸れたりする事も無く走る事が出来ました。
このプロテクトビブショーツを購入後、3回ほどエンデューロにこれを着用し出場。
現在、幸いながら落車はありません。
そのため、ダイニーマの効果の程は未だ分からないでいます。
まぁしかし、履いていると何となく安心感がありますので、保険というか、レースに出る時の安心材料の一つといったらよいでしょうかね。
落車しない事に越した事はありませんし。
デメリットといえば、チームジャージのビブを履けないので、チームでレースに出場するときに仲間外れになってしまうことですかね〜。
さてこのダイニーマを使ったビブショーツですが、カステリの公式サイトでも売り切れ。
国内や海外の通販サイトでも売り切れてしまっているようです。
他のメーカーでも、ビオレーサーやエチェオンドと言ったメーカーからもダイニーマを使ったビブショーツは発売されていたようですが、こちらも在庫がありません。
Wiggleで検索すると、一応この2つのビブショーツがヒットしました。
Castelli (カステリ) - Free Unlimited サイクルビブショーツ
一つはdhb、もう一つはカステリのビブショーツですが、CX、グラベルとオフロードでの耐久性向上を目的とした物になり、オンロードのレース用とはなっていません。
また、ダイニーマの生地が表側に見える様な構造のため、デザイン的に気にかかるかもしれませんね。
出来ればロード用の物が各メーカーから再販されると良いのですが、落車時の怪我を少しでも減らせる可能性のジャージが欲しいならば、試してみるのも有りかと思います。