金色への道

湘南のロード乗りの徒然

リムブレーキのロードバイクの安全性と機材選定

 

リムブレーキは危険?

 

最近、話題になっているブレーキの話です。

どこかでリムブレーキのバイクは危険!だとか何とか言われているみたいですね。

私の場合、メインバイクやシクロクロスは既にディスクブレーキの車体を使用しておりますが、通勤用のバイクはリムブレーキです。

一方的に、リムブレーキは危険だ!と言われると違和感を覚えるいうか、釈然としない感があります。

本当にリムブレーキのバイクは危険なのでしょうか。

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危険な物と思うのであれば使おうとは思いませんし、数年までロード乗りは皆リムブレーキのバイクでレースもロングライドも路面が濡れていても雨天でも、問題なくかっ飛ばしていた訳ですよね。


確かにスピードの出るスポーツサイクルにとってブレーキ性能というのは、最も優先されるべき事項です。

いくら速くても、いざと言うときに止まれなければ危険極まりない乗り物になってしまいます。

命に関わる大切な部品であるブレーキは、整備においても最も気を使わなければならない箇所です。

 

ではリムブレーキのバイクは止まらないので危険なのか。


私の経験から言うと、

機材選定によっては、ロード用ディスクブレーキ並の制動力を得る事は可能である。

と感じます。

ただし、注意しなければならない事があるの間違いありません。

 

 

リムブレーキとディスクブレーキの差

ではリムブレーキのバイクで危険がある場合とはどの様な事でしょうか。

私が考えるリムブレーキが危険になる場合とは、機材の選定(整備は出来ているものとした上で)が要因の一つであるかと思います。

注意しなければならない機材とは、フルカーボンリムを使ったホイールです。

特にブレーキ面に特殊な加工がされて無いものはブレーキ性能は良くはない傾向にあります。

ブレーキ面がツルツルしていれば、それだけ摩擦が低く、ストップが効かなそうなのは想像に難くないでしょう。


ではリムブレーキでカーボンホイールを使う事は危険なのでやめた方がいいのでしょうか。

数年前、ディスクブレーキが主流になるまでは、皆それで走ってたよね!?

はい、その通りです。

では、何が問題なのか。



それは複数人でのライドの時、ディスクブレーキのバイクの中に混ざると危険となる恐れがあるのでは無いかと思います。

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どう言う事かと言うと、ブレーキの制動力が違うバイクに乗って複数で走っていれば、カーブや信号ストップ等でのブレーキをかけるタイミングが異なってくる事が大きな問題となりうるのです。

私も経験があります。
3年ほど前の事ですが、友人と2人で箱根旧道を降っているときです。

友人は最新のディスクブレーキのバイク。
私はリムブレーキの軽量なバイクでカーボンホイールを履いていました。

箱根旧道は10kmほどのヒルクライムコースで急カーブも多いです。

その降りでディスクブレーキの後に着いていました。

カーブに入る前にブレーキをかけますが、友人のブレーキのタイミングに合わせると、ブレーキのタイミングが遅く突っ込み気味になってしまいスムーズに曲がれません。

しかし、友人はスムーズに降って行きます。

そのため、カーブで多少離されるのを許容したうえで、ブレーキは自分のタイミングでかけるようにして、カーブが終わったらパワーを出して距離を詰めるというようにするしかありませんでした。

単純に友人の方がカーブが上手いという事もあるかもしれませんが、下のカーブでブレーキをかけ始めるタイミングが明らかに違ったのを今でも鮮明に覚えています。

また、咄嗟の急ブレーキでもかなり差が出るので、場合によっては前走者の横に逃げる形になる事もあるかと思います。

まぁ、2人とか少数では、多少気を使えばいい話かもしれません。

しかしレースの集団となるとそうも行きません。

四方八方に気をブレーキの事はまで使って走るのは、なかなかキツいものがあるでしょう。


ディスクブレーキがプロのレースで導入された当初、やはりブレーキの制動力の差はレースを実際に走る選手達からも懸念する声がありました。

ただ、あっという間にプロの世界ではディスクブレーキ一色になり、今ではリムブレーキのバイクはほぼ排除されてしまいましたが。

 

とはいえ、リムブレーキのバイクそのものは、何も変わった訳でなく、急に危険な自転車になった訳ではありません。

結局は乗り方と乗り手次第です。

 

 

リムブレーキで制動力を強くしたいなら


さて、リムブレーキのバイクで、ブレーキのストッピングパワーを向上させられる機材とは、どの様な物でしょうか。

結論から書くと、アルミホイールでリムのブレーキ面に特殊な加工がされているリムは非常に良くブレーキが効きます。

マビックのエグザリットやフルクラムのレーシングZEROナイト、カンパニョーロのシャマルミレ、VISIONの黒リムのやつなど、アルミホイール且つブレーキ面が特殊加工されたリムのホイールは最強です。

私はVISIONのブレーキ面が加工された黒リムのホイールを一時期使っていましたが、よく効くキャリパーを使えば場合によってはディスクブレーキよりストッピングパワーは強いのでは?と思うほど、ブレーキが効くようになりました。

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通常のアルミホイールでもしっかり効きますが、雨天でリムが濡れると、ストッピングパワーが若干落ちるますが、それも慣れの問題です。

アルミホイールでも、メジャーメーカー以外の物を選ぶ時は注意が必要です。

前に海外通販大手のオリジナルブランドのホイールを買ってみた事がありました。

それは一流メーカーのホイールに比べ、同じくらいのスペックで価格が半額ほどと非常にお買い得感のあるホイールでした。

確かに走りは軽かった。

しかしリムのブレーキの面の剛性不足のためブレーキをかけた時の挙動がおかしなホイールで、非常に怖いホイールでした。

 

リムブレーキのホイールというのは大手メーカーにおいて長年研究し尽くされ、もう成熟し完成された感のあるプロダクトになります。

下手に振興ブランドの物を選ぶより堅実に大手の物を選ぶ方が後悔する事は少ないのかもしれません。

ただ、今後大手メーカーでもディスコンとかもありそうですが…。


またどうしても軽量なカーボンホイールを使いたいなら、重要なのはブレーキシューの選定です。

私もリムブレーキのカーボンホイールをそこそこ使ってきたので、カーボンリム用のブレーキシューも色々使ってきました。

その中で最も止まると感じたのはカンパニョーロの赤いブレーキシュー。

 

 

 

カンパニョーロのブレーキシューは雨天でもそれなりにブレーキは効いていた記憶があります。

また摩耗もそれほど早くなく、月500kmくらいの走っていた時期でも同じ物を2年近く使っていました。

ただこれも今後、入手が難しくなりそうな予感はしますが。


また、キャリパー自体でも制動力は異なります。


私は5年ほどシマノのBR-9000を使っていました。

使っていた当時はデュラエースグレードであるBR-9000には何も不満は無く、しっかり止まるし、コントローラブルで使いやすいブレーキでした。

ただ、今思えばカーボンホイールを使うと制動力は落ちますが、それを理解して使っていれば特に問題ありません。


ディスクブレーキのバイクをメインにしてしばらくしてから、リムブレーキのバイクはサブになった事もあり、デュラエースBR-9000は売却し、代わりに105グレードのBR-R7000のリムブレーキ用キャリパーを購入し使いましたが、そのストッピングパワーの強さに驚きました。

個人的な感覚ですが、制動力自体はBR-9000より強い!と感じました。

ただし、効きのスムーズさや弱いブレーキング等のコントロール性はBR-9000の圧勝ですが。

シマノのR9100以降の世代のブレーキキャリパーは制動力向上のため、9100と8000のブレーキにはブースターが備わっているようです。

また、R7000にはブースターは無いようですが、剛性が向上しているとのことで、リムブレーキとしての制動力はかなり高いのではないかと思います。

 

 

ブレーキ面が黒い特殊加工されたアルミホイールと、上記のシマノの最新ブレーキキャリパーを合わせればブレーキの制動力は、ディスクブレーキにも負けずとも劣らないレベルまでもっていく事は出来るかもしれません。

少なくとも私はそう感じました。

ただし、軽い力での強い制動力とコントロール性能を求めるなら、ディスクブレーキのロードバイクを使うべきです。

 

 

最後に

 

リムブレーキのロードバイクが危険かどうかは、その用途と機材選定に寄って変わってくると言うのが結論です。

通勤やトレーニングで使う分には問題なく、パーツさえ無くならなければ、今後も使用されるでしょう。

しかし、スピードの出るレースで使うには、やはりブレーキ性能に差がある事を考慮すべきでしょう。

また機材選定によってブレーキ性能に大きく差が出てしまうのがリムブレーキの怖いところでもあり面白いところでもあります。

また、スポーツサイクルのトレンドはディスクブレーキになっているため、リムブレーキバイク用のパーツは今後入手が難しくなってゆく事が予想されます。

使用する機材と部品が確定している場合は、ストックを確保しておく事も必要でしょう。


以上、リムブレーキのロードバイクの現状について思うところを書いてみました。

最後までお読みいただきありがとうございました。