金色への道

湘南のロード乗りの徒然

油圧ディスクブレーキのオイル交換。2年交換していないシクロクロス車のオイルの状態は!?

シクロクロスやグラベルに加え、ロードバイクでも油圧ディスクブレーキが一般的になっています。

しかしながら、油圧ディスクブレーキ周りのメンテナンスはなかなか取っ付きにくい。

 

使用する用品が一般的な六角レンチやドライバーではなく、油を扱うのでちょっと特殊な道具が必要な事もあります。

 

裏を返せば道具さえあれば実はそれほど難しい物ではないかもしれません。

 

慣れもありますが場合によってはワイヤー引きのブレーキの方が、フレームに通したり引き具合を調整したりと面倒な事もあります。

 

私の場合は、シクロクロスでディスクブレーキを導入する際、自分でブリーディングを行いました。


そして今回はそのシクロクロス車の油圧ディスクブレーキのオイル交換を行いました。

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ブレーキキャリパーはR8020アルテグラでSTIレバーはも機械式油圧ディスクのR8020。


先ずは、マニュアル通りブレーキパッドを外しをスペーサー入れますが、ピストンが出ている状態だとスペーサーが入らなかったりします。

この時も若干ピストンが出ており、スペーサーが入らなかったためタイヤレバーを使いピストンを押し込みました。

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このスペーサーがなくとも、パッドを入れた状態でもオレンジ色のパッドスペーサーを入れておけば、オイル交換は出来なくもありませんが、万が一オイル漏れを起こしてしまうと、ブレーキパッドにオイルが付着してしまい、最悪の場合パッドがダメになってしまいますので、ここはシマノのマニュアル通り黄色のスペーサーを入れて作業した方が無難です。

 

次にSTI側。

ブラケットカバーをめくるとオイルタンクのネジがあります。

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六角レンチでネジを外し、オイルファンネルを設置。

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このオイルファンネルはシマノ純正ではなくサードパーティの物ですが、問題なく使えています。


今度は、キャリパーのオイル注入口(ブリードニップル)のゴムカバーを外し、透明チューブとレンチを準備。

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レンチはこの段階では回さないでください。

ちなみにレンチはペドロスのディスクレンチを使用しています。

 

 

ちょっと高価ですが、このレンチがあればディスクブレーキのメンテナンスの大抵の事は出来るので非常に便利です。

 

廃オイル入れにはシマノのマニュアルだとビニール袋を使っていますが、今回はペットボトルを使いキャップに穴を開け、チューブを通してみました。

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また本来はキャリパーのブリードニップルにチューブを付けた所に、チューブが外れるのを防ぐためのチューブホルダーという物を付けるのですが、キツめなチューブを使っているので今回は省略しました。(てか忘れた)

透明チューブはモノタロウで買った物を使用しています。


とりあえずここまでが準備です。

 

そしてようやくオイルが登場。

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先ほど準備したオイルファンネルにオイルを入れて行きますが、この入れ物ごと注ごうとすると、かなりの確率で溢しますので、別の入れ物に一度移すか注射器等で行います。

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使い切りサイズの容量の少ないオイルなら、元の容器のままいけるかもしれません。

 

オイルを入れたら、次はキャリパーのブリードニップルを1/8回転ほど緩めます。

 

チューブに古いオイルが流れてきます。

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オイルが出てこない場合はもう少しブリードニップルを緩めるのですが、緩め過ぎないよう少しずつ回してください。

 

さてここでもう一つ気を付けておかなければならないのが、オイルファンネルの中のオイルの量。

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元々入っていた古いオイルがキャリパーからチューブへ排出されて行き、オイルファンネルの中の新しいオイルがケーブルとタンクに充電されてゆくので、オイルファンネル内のオイルは徐々に減ってゆきます。

 

そのためオイルファンネルには少しずつオイルを追加して、常にオイルがある状態を保ってください。

オイルファンネル内のオイルがなくなってしまうと空気が混入してしまう恐れがあり、空気がオイルやケーブル内に混入するとエア抜き作業を行わなければならなくらなります。

 

作業が増えるので、要注意です。


汚れのある古いオイルが排出され、綺麗なオイルが出てきたら、ブリードニップルを閉めます。

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そして、オイルファンネル内に栓をしてからオイルファンネルを取り外します。

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この時、ブリードネジの箇所にオイルが残っているとベスト。

ネジを付けるとそのオイルが周りに少し漏れるくらいがベストです。

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溢れたそのオイルはしっかり拭き取りましょう。

キャリパー側のチューブを取り外し、ゴムキャップをつければ、オイル交換は完了です。

キャリパーのスペーサーを付けた状態で、ブレーキレバーを握り、しっかりと抵抗があればOKですね。

あとはキャリパー周り清掃し、ブレーキパッドを戻して、ホイールをセットして、ブレーキが効くことを確認してください。

排出されたオイルはこれ。

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思ったより汚れていませんでした。

ブリーディングしたのは2年以上前でしたが、昨年はシクロクロスに参加出来なかった事もあり、あまり乗れてなかったので、結果的にはオイル交換をしなくても大丈夫そうな状態。

一応メーカーでは一年に一度の交換を推奨していますので、今回は念のための交換との事になりました。

リアのキャリパーも基本的にはやり方は同じですが、STIレバーから遠い事と、フレームが作業上干渉しやすいので、キャリパーをフレームから外して作業した方が良いかもしれません。


今回はディスクブレーキのオイル交換について書きましたが、ディスクブレーキのメンテナンスについて自ら行いたい方は、シマノのホームページにあるマニュアルをしっかり読んでからチャレンジしてみて下さい。