金色への道

湘南のロード乗りの徒然

LUN HYPER!新進気鋭メーカーのホイールを2年ほど使ってみて

少し前から自転車業界で話題のホイール LUN HYPER。

派手なカーボン柄が目を惹くカーボンホイールで、一目見たら忘れられないインパクトがあります。

 

私はこれまでリムブレーキの38mmモデルと50mmハイトのディスクブレーキモデルの2つのホイールを使用しました。


私が使い始めたのは2021年。

話題になり始めていた頃でしたが、まだ使用している人は少なく、私の周りにもいませんでした。

見た目はインパクトがありますが、好き嫌いはあるでしょう。

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カーボン柄はともかく「HYPER」のロゴとかね。

自分的には、面白味を感じたので思い切って買ってみました。


リムブレーキの38mmハイトで、ホイール前後での重量実測は1280gほど。

流石に軽い!

機械式デュラエースメインで組んだバイクはペダルやサイコン込みでも6.9kg。

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この時のバイクはスプロケットがアルテグラだったので、スプロケットをデュラエースに交換したら、バッチリ6.8gでしたね。

それは兎も角、乗ってペダルを踏んだ瞬間にスピードがグイッと出る感覚が素晴らしい。

反応が非常に良いです。

走り出しもスムーズでかかり良し。

平坦での巡航も楽しい。

それまで28mmハイトのPrimeホイールだったので、38mmのリムハイトは平坦でのスピード維持が気持ち楽になった記憶があります。


そしてカーボンスポークの乗り味なのか、これまでのホイールとは違った感覚があるのは確かです。

マイルドな乗り心地(チューブレスタイヤの影響もあるが)なのに踏んだ時の反応が早いという、相反する性能を持ちあわせているような感覚を覚える。

剛性が高すぎるってのもありません。


またリア変速時に感じるショックも弱いようにも感じました。

これは金属スポークのホイールに乗っていた時はそれ程気にならなかったのですが、Lun Hyper に乗って、その後ホイールを金属スポークの物に戻した時に非常に感じました。

カーボンスポークはその軽さ以外にも利点がありそうです。

カーボンスポークのデメリットは入手性が悪く高価な事ですが、Lun Hyperには予備スポークが付属しているので、しばらくは安泰でしょう。

 


リムブレーキのバイクにしばらく乗っていましたが、ディスクブレーキのキャニオンアルティメットを購入し、ホイールはLun Hyper の50mmハイトをモデルを別途購入。

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リムの良かったので、ディスクもLun Hyper にしちゃいました!

50mmのリムハイトはカーボン柄も相まって、さらに迫力があります。

重量はリムテープ込みで1450gほど。

リムブレーキモデルの38mmの1200g代に比べると重いですが、50mmハイトのディスクブレーキモデルとして、軽量な部類入りますね。

そのため、漕ぎ出しに重さを感じる事はありません。

そして平坦では脚の力を抜いても減速が遅く、さらに巡航が楽に。

50mmのリムハイトは伊達じゃない!

ただ、横風の影響を受けるのはしっかり分かりますね。

自分はこれまで50mm以上のディープリムホイールはあまり履いた経験がないので、慣れが必要な感じ。

登りに関しては、大方問題ないです。

でも、38mmの方がダンシングの時のシャキシャキ感があります。

バイクを振る際、ディープリムが若干の抵抗になるのか、モッサリ感があるように感じました。

シッティングで登っている分には特に不満はありませんが、ダンシングでグイグイ登りたいなら38mmが良いかもしれません。


私が乗ったLun Hyper はリムモデルもディスクモデルも、リムの幅は同じ19C。

リムブレーキの場合はブレーキキャリパーとの兼ね合いもあるので、19Cは妥当な幅ですが、ディスクブレーキの場合、スタンダードは21Cとなっている今、19Cでは若干物足りなさを覚えます。

リムが太いと同じタイヤでも接地面が大きくなるので、乗り味や転がりが良いのです。

この弱点を克服すべく2023年にLun Hyper はモデルチェンジしており、内幅21Cへと改良が加えられています。

流石です。

そして、Hyperの上をゆくモデルのMEGAが発表され話題になっております。

こちらは、カーボンスポークが進化してさらに軽量なホイールとなっているようですね。

新興ならではのチャレンジングなメーカーで、今後も目を離せません。


さて、非常に評価の高い高性能ホイールのLun Hyper ですが、私的には少し不満があります。

それは振れ取りが多少厄介な事です。

振れを取る場合、タイヤ及びリムテープを剥がさないと振れ取りができません。

カーボンスポークのリム側にはニップルのような形状の物があるのですが、コレはスポークの捻れ防止のための物で、スポークと一体化しており、これを回すとスポークが捻れてしまいます。


なので、スポークの張り具体の調整は、リム外周部のスポーク穴からレンチを入れニップルを回すタイプになります。

そのため少しでも振れを取りたい時はいちいちリムテープを剥がす必要があります。

クリンチャー用のリムテープなら、再利用も効きますが、チューブレステープの場合そうはいかないですね。

さらには、振れ取りの際に使うレンチは付属していません。

使うのは5.5mmの六角ボックスレンチなのですが、スポークホールはそんなに大きくないため、細身の六角ボックスレンチが必要となります。

私が購入したボックスレンチは比較的細身の物を選びましたが、ギリギリスポークホールに入らなかったので、グラインダーで削ってレンチを細くし振れ取り用のレンチを作成しました。

出来れば、振れ取り用のレンチは付属してもらいたいですねぇ。

まぁ、ホイール自体を弄る人は少数かも知れませんし、ショップに任せられるなら、その方が確実ではあります。

不満といえば、それくらいで乗っているときは、一切不満はありませんね。

私が使っているLun Hyperは既に型落ち品となってしまいましたが、何気にこのモデルこそが、国内の選手権やヒルクライムレース等で優勝者が使用し勝利を納めているホイールになりますよ!

 

旧モデルだからと侮るなかれ!

セラミックベアリングのハブに、カーボンスポーク、特殊なリムの形成方法。

凄いホイールなのは間違いないです。

 

最後にもう一つ。

このホイールの凄いところはホイールバランスを考慮した造りになっているところ。

 

フロントホイールを振れ取り台で回したとき

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付属のチューブレスバルブを取り付けて回していますが、その位置はホイールの回転が止まった位置からほとんど変わりません。

 

大方のホイールはバランスが取れていないので、惰性で回転していたホイールが止まると、振り子のように動きバルブのある位置が下になって静止します。

 

リアホイールも見てみます。

リアホイールの振れ取り台での空転とラチェット音

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動画ではバルブが下で止まってしまいましたが、振り子のような動きにはならず、その後軽く回すと、バルブは真下ではない位置で自然に静止しました。

 

 

タイヤを組み付け、バイクにセットして回してみました。

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ホイールバランスが取れていないホイールだと、空転させると車体が上下に動きますが、Lun hyper はそれが少ないように感じます。

 

使うタイヤにもよっても変わってくるかとは思いますが、ホイールバランスを取るための錘をつけていない状態でここまでホイールバランスが取れています。

 

これには驚きました。

 

カーボンリムがバルブの重量を考慮した造りになっているのでしょうか。

 

これまで使ってきたホイールで、バランスを取らなくても元々のバランスが悪くなかったのはカンパニョーロ、フルクラム、そしてLun hyperくらいです。

 

私が購入したときより、価格は上昇し、20万を超える物となってしまいましたが、性能を考えると安いのかもしれません。