ブチルチューブは取扱いが容易でパンクしても、予備チューブに取り替えればいいので、トレーニングには持ってこい。
ただ、チューブレスタイヤやラテックスチューブに比べ乗り心地が良くないと感じる方も多いかもしれません。
なぜ乗り心地が悪いのか。
それはブチルチューブの厚みが関係しており、その厚さがタイヤの持つしなやかさを殺してしまう事に一因があります。
そのためタイヤの個性、味が薄くなり無機質な乗り心地になってしまうのです。
ノーマルのブチルチューブの厚みは大体1mmほど。
厚みがあるほど重量も重くなり、通常のブチルチューブはだいたい100g前後の重さがあります。
これらのしなやかさ不足と重さの弱点を解消するためブチルチューブにも薄型のチューブがあります。
今回買ってみたSOYOのチューブはその一つです。
チューブの厚みは0.6mm。
重さは60mmの長さバルブの物で68gとの事。
前後ホイール用で2本買ってみました。
持った感触は、ノーマルブチルチューブと比べるとやはり軽い。
そして柔らかくてフニャフニャします。
実測してみます。
2本とも66gとカタログ値より僅かに軽量。
SOYO品質と言って良いでしょうか。
重さの誤差は若干のマージンを取っているのかもしれません。
何にせよ品質管理はしっかりしている印象を受けます。
軽量チューブは取付時に注意が必要です。
薄いため、リムとタイヤに噛み込んでしまうと、簡単に破裂してしまうでしょう。
ホイールに入れたら噛み込みがないか、全周に渡り確認した上で空気を入れしましょう。
それさえ、気をつければ特に扱いに難しい事はありません。
今回はコンチネンタルのGP5000と共にホイールに装着し400kmほど走りましたが、今のところパンク等のトラブルは無し。
走行感としては、タイヤの個性を殺していないように感じます。
GP5000の持つ、転がり抵抗の低さやグリップの効き、しなやかさなどをしっかりと感じる事ができました。
やはりタイヤ本来の性能を引き出すには、チューブは薄めの方が良いのでしょう。
ノーマルブチルチューブに比べ、片側で30gほど軽量になっている事もありますので、漕ぎ出しや反応の良さは明らかに良くなりました。
ヒルクライムならば、断然軽い方が良いので、ノーマルブチルか軽量ブチルのどちらかを使うかと言われれば、間違いなく軽量ブチルチューブを使います。
最近話題のチューボリートなどのTPUチューブに比べれば重量はありますが、転がり抵抗では物によってはブチルチューブに分があるという話もありますし、特にリムブレーキのカーボンクリンチャーホイールには、熱にも強く実績のあるブチルチューブを使いたいですね。
ヒルクライムの下山中のパンクとか、最悪ですし。
今回使ってみたチューブはSOYOから販売されている物ですが、同じ60g後半の重量のブチルチューブは、他のメーカーからも発売されています。
ブリヂストンのエクステンザの0.6mm厚軽量チューブ
マキシスのウルトラライトチューブ。
タイオガのウルトラライトチューブ。
等。
それぞれのメーカーの管理の下、販売されているもので、OEMで製造元はどれも同じとか言う噂もありますが、業界の人ではないので私は詳しい事は分かりません。
但し、今回購入したSOYOのブチルチューブはカタログ値通りの重さで、品質管理がしっかりしているだろう事を想像できます。
こうなると評判の良いSOYOラテックスチューブもディスクブレーキ用で試してみたいなぁと思ったりもします。
ブチルチューブの話に戻しますが、ブチルチューブにはさらに軽量なチューブがあります。
代表的な物はコンチネンタルのスーパーソニックと言うチューブ。
重さ50gと通常のブチルチューブの半分ほどの重さ!
…しかし、その薄さ故かパンクしやすいという話をよく目にします。
ブリヂストンのエクステンザの超軽量チューブも同程度の重量で53gと非常に軽い!
このチューブの厚さは0.45mmとなっており、ノーマルのブチルチューブの半分以下の厚み。
厚み半分、重量半分。
ここまで薄いと流石にパンクリスクも高くなってしまうのでしょうか。
私はこの50gほどのブチルチューブは使用したことがなく、通常のブチルチューブに比べ値段が倍ほどするので、試すのを躊躇してしまいます。
が、気にはなります。
気にはなりますが、今回のSOYOのチューブの感触が思いの外良かったので、試すかどうかは分かりません。