いつもお読み頂きありがとうございます。
前回の記事でFTPの計測方法について記しました。
今回は、計測したFTPを普段の練習しにどう活かしていくか という事を書きたいと思います。
FTPとは60分間で出せる平均パワーの最大値になります。
この値を元に以下のような領域が設置できます。
領域 |
FTP比 |
継続時間 |
リカバリー |
55%以下 |
適度に |
エンデュランス |
55〜75% |
2.5時間以上 |
テンポ |
75〜90% |
1時間〜2.5時間 |
スイートスポット |
85〜95% |
10分〜60分 |
VO2max |
106〜120% |
3分〜8分 |
アネロビック |
120〜150% |
30秒〜2分 |
この値を元に自分が鍛えたい領域のパワーでトレーニングを行う事ができます。
代表的なトレーニングとして、SSTという領域でのトレーニングがあります。
スイートスポットトレーニングといい、この領域はFTPとテンポ走の中間レベルでその両方を刺激する効率の良いトレーニングとして知られています。
練習方法としては、
FTP の88〜94%で20分走を行います。
もちろん前後にアップとクールダウンは必要です。
方法としては単調ですが、慣れないとかなり辛い時間になります。
慣れてきたら
20分SST走
10分回復走
20分SST走
という形でセット数を増やしたり、
20分走を25分、30分… と時間を増やしたりします。
このトレーニングは単調ですが、FTPの向上に繋がります。
1回のトレーニングでSST走の合計が60分を超えるくらいになると、十二分なトレーニングになるはずです。
これが楽にできてしまう場合はFTPが向上している筈です。
この練習はFTPが成績にモロに直結するヒルクライムでは非常に有効な練習であり、ヒルクライマーには必須の練習となります。
他の領域をトレーニングしたい場合は、先程の表にある時間を参考にインターバルを行います。
例えばVO2maxなら
3分 FTPの130%
1分回復走
を、ワンセットとして繰り返し行い、VO2maxが維持できなくなってきたら終了
といった感じです。
自分でトレーニングプランを考えると、何を目的にトレーニングしているかが明確になるので、練習効率も高くなるでしょう。
パワーメーターを使用した練習後などに、参考にしたいのが TSS です。
これはトレーニング・ストレス・スコアといい、行ったトレーニングやレースによって、身体にどの程度の負荷がかかったかを数値にしたものです。
TSS = 100 のとき
FTPレベルで1時間負荷をかけた強度となり、これが基準となります。
ガーミンコネクトを使用している場合はその練習の結果見ると項目があります。
数値の見方としては
〜60 軽い運動 疲労はあまり残らない。
60〜150 負荷のかかった運動。翌日には疲労が回復。
150〜300 高い負荷のかかった運動。回復まで2,3日かかる。
300〜 かなり高い負荷のかかった運動。回復まで4日以上かかる事がある。
というような具合です。
ただし、回復力は個人差がありますので、練習後に確認し自らの体調を把握する材料にすると良いとおもいます。
私はの場合TSSが120を超えてくると翌日にも疲労感があります。
またロングライドに行くとだいたい300を超える値になります。
気をつけなければならないのが、短時間のレースの時です。
時間は短いためTSSが低く表示される事があります。
しかし実際にはかなり高い負荷をかけるため、2,3日経っても回復しないこともあります。
また、レースに向けトレーニングしていると、知らず知らずのうちに疲労が蓄積している可能性があるので、気をつけなければなりません。
そのためレース後の疲労感には気をつけるようにしています。
(しているつもりでも体調を崩してしまう事が多々あります…)
単純に数字だけで判断してはならないかもしれませんが、一定の目安になりますので、自分自身の管理に役に立つでしょう。
このような形でパワーメーターを使用してゆくと、日々のトレーニングに目的意識とメリハリがつけられ、非常に有意義なものになると思います、
サイクルコンピュータに表示されるパワーを、スピードメーターと同じ様に上げ下げを見るだけでは勿体ないですね。
パワーメーターの使い方やトレーニングの管理については、パワーメーターバイブルに詳しく書いてありますので、興味が湧いてきた方は一読してみることをお勧めします。
また、日々のトレーニングデータを管理するソフトに、ゴールデンチーターというフリーソフトがありますので、リンクを貼っておきます。
最後までお読み頂きありがとうございました。