始めに
この記事を書いた理由になりますが、パワーメーターを使用しているのに、話を伺うとFTP 計測をしてない人が割と多いため、非常に勿体ないなと思ったこと が挙げられるます。
もう一つは、FTPの計測は定期的に行うべきなのに、夏前に行って以来、計測していない自分への戒めでもあり、自分の考察を纏めるためでもあります。
説明が多く、何様やねん!と思うかもしれませんが、暖かい目で読んで頂けると幸いです。
以前、パワーメーターを導入して自分なりに良かった事や利点について書きました。
そこで出てきたFTPという単語。パワートレーニングをするには非常に重要な単語ですが、説明が少なかったのでもう少し掘り下げて、FTPとは?ということと、その計測に当たっての注意点などを書いておこうと思います。
FTPとは
FTPとは、Functional Threshold Power の頭文字の略称であり、日本語に訳すと機能的閾値となります。
パワートレーニングにおいて、機能的閾値とは1時間で出せる最大のパワーの値を言います。
このFTPを測定し、この閾値を基準にして
リカバリー(FTPの55%以下)
エンデュランス(FTPの55〜75%)
テンポ(FTPの75〜90%)
スイートスポット(FTPの85〜95%)
VO2Max(FTPの106〜120%)
アネロビック(FTPの120〜150%)※ おおよその値です。
と言った領域を設定する事が出来、鍛えたい領域を狙ってトレーニングすることが出来ます。
以前の記事ではパワーメーターを導入する利点を、基準が出来ること と書きました。
その基準が出来ることにより、自分の弱点や得意分野を感覚だけではなく、実際の数字で見ることができ、弱点の克服や得意分野の更なる強化など、目的の明確なトレーニングプランを自分で組めるようになります。
これまではコーチやトレーナーなどの客観的に見れる第三者かいなければトレーニングプランを組み立てるのは難しい事でした。
しかしパワーメーターを使えばこれが、普通のアマチュアでもある程度出来るようになります。
また、練習データからその日のトレーニングの疲労度を把握でき、管理ソフトを使えば目標のレースにピークを合わせる と言った使い方までする事もできます。
この疲労度を計る指標として代表的なものは、トレーニングストレススコアと言いTSSと略されます。
この値もFTPが基準に算出されるため、FTPが曖昧だとTSSも曖昧な物になってしまいます。
こう言った理由からパワーメーター使用をするなら、FTP を計測すべきなのです。
さらには、FTP は変動します。
トレーニングを続ければFTP は向上しますし、トレーニングを休んでいれば落ちたりもします。
また、季節的な要因もあります。
身体が動きにくくなる冬場はどうしても夏場に比べパワーは低くなる傾向にあります。
そのため厳密いえば定位的にFTP を計測してトレーニングに反映することが、パワートレーニングを継続するに当たって必要な作業になってきます。
計測のための注意点と環境
FTP の計測はやり方にもよりますが、実質的には1時間もかかりません。
ただし、限界まで追い込む必要があるのでトレーニング強度が高いです。
身体に疲れがあったり体調が悪いときに行っても最後まで追い込めないため、体調をある程度整えた上で行う必要があります。
また、身体を追い込むと疲労が翌日まで影響を及ぼす恐れもありますので、注意が必要です。
また計測を行うには集中できる環境が必要です。
自転車は外を走る乗り物ですから、外での実走が理想です。
しかし実走では信号があったり、他の自転車や車が通りますので、無心でペダルを漕ぐ環境には適していません。
行おうと思えば、信号のない峠を選べば出来ないこともありませんが、不測の事態が起こる恐れは排除出来ません。
また、追い込んでパワーを出し切ったあと、自宅まで何らかの方法で帰らなければなりません。なかなか辛そうです。
やはり室内用ローラーを使うことが、ベターではないかと思います。
TacxのHPより引用
ローラーとしては、転ぶことがない取固定ローラーが良いですが、3本ローラーでも出来なくはないです。
ですが脱輪の恐れはあります。
私はFTP の計測で、2度の脱輪経験があります。
1度目は、20分の全力走の間。
かなり集中しペダルを回していましたが、少しずつタイヤ位置が右側に寄っていた事に気付かずに、急に ガタン!と。
もちろん脱輪している間はパワーが0と表示されますので、FTP の計測に支障があります。
2度目は、20分の全力走が終わった瞬間に ガタン!と。計測が終わったしゅに気が抜けたのでしょう。
こちらは一応FTP の計測については問題なしです。
どちらも咄嗟にペダルを外し転ぶことはありませんでしたが、肝を冷やしました。
固定ローラーだと、転ぶ心配はなくペダルを回すことに集中できます。
もちろん、レベルの高い方の場合、実走や3本ローラーでも問題なくFTP と計測ができるとは思います。
しかし、FTP の計測に慣れていない人の場合は、怪我の予防、万一のため固定ローラーで行うことをお勧めします。
さて、実際のFTP 計測方法についてですが、次回の記事でお伝えしようかと思います。
計測についてのコツもお伝えできればと思っておりますので、次回も読んで頂けたら幸いです。
お読み頂きありがとうございました。