金色への道

湘南のロード乗りの徒然

ヒルクライムで使いたいタイヤはどれだ!? 2022年各メーカーの最新タイヤ重量まとめ②チューブレス編

2020年に新ETRTO規格が定められ、メーカーがそれに合わせてタイヤを発表してきつつあります。

前回は最新クリンチャータイヤについて、幾つかのメーカーを物をピックアップしてみました。

 

今回はチューブレスタイヤについて重量等をみてみましょう。

 

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なお、チューブレスタイヤとチューブレスレディタイヤは厳密に言えば別の物ですが、今回は区別せずにチューブレスレディタイヤもチューブレスの括りとして扱っていきます。


さっそく観てゆきましょう。

 

 

パナレーサー

アジリストTLR 25C  220g(税別6,700円)

アジリストTLR 28C  250g(税別6,700円)

アジリストTLR 30C  270g(税別6,700円)

 

2022年に日本で最も話題になったであろうパナレーサーアジリスト。

それのチューブレスレディ版。

25Cで220gという超軽量具合。

シュワルベプロワンTTやヴィットリアのコルサスピードに型を並べる軽さです。

これで耐久性があれば、上記2つの海外メーカー品よりも一枚上手!となるのですが、どうやらパンクしやすいとの情報があります。

その理由としてはタイヤ自体に耐パンクベルトがなく、パンク対策はシーラントに依存するためのようです。

シーラントは同社のシールスマートを推奨。

タイヤ幅とリム幅によってはNGな場合があるので、フックレスリムで使用する場合は、パナレーサーのホームページが要チェックです。

峠道での路面状況は、必ずしも良いとは限らないので、ヒルクライムと言うよりは路面の綺麗なサーキットでのレースの方が向いてるのかもしれません。

 

 

IRC

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS RBCC 25C  275g(税込9,240円)

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS RBCC 28C  310g(税込9,240円)

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS RBCC 30C  340g(税込9,240円)

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS READY S-LIGHT  25C 220g(税込9,240円)

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS READY S-LIGHT  28C 255g(税込9,240円)

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS READY S-LIGHT  30C 275g(税込9,240円)

 

チューブレスタイヤの製造に懸けては一日の長があるIRCからは、シーラント無しでも使用できるチューブレスモデルのRBCCと、シーラントが必要なチューブレスレディモデルのS-LIGHTシリーズをピックアップ。

商品名にもフックレスとあえて記すとおり、フックレスリムに対応。


S-LIGHTシリーズでは25Cで220gと、前述のアジリストと並ぶ軽量さを示している。

耐久性に期待できれば、使ってみたいタイヤだか、やはりアジリストと同じ様にパンクや耐摩耗性についてネガティブな情報も散見される。

他のメーカーでも同じだが、このくらいの軽量なチューブレスレディタイヤになると、どうしても一般道で走るにはパンクのリスクが高いのかもしれない。

またIRCのタイヤはトレッドが独特であり、転がりやグリップに癖がある気がするけど、それが好きなら使って見るべきタイヤかも。

サーキットではなく一般道メインで走るなら、自分だったらリスクを回避のためRBCCを選びたいですねぇ。

 

 

 

ヴィットリア

CORSA N.EXT TLR 24C  260g(税込10,450円)

CORSA N.EXT TLR 26C  285g(税込10,450円)

CORSA N.EXT TLR 28C  300g(税込10,450円)

CORSA N.EXT TLR 30C  310g(税込10,450円)

 

ヴィットリアの新シリーズCORSA N.EXT のチューブレスレディ版。
グレード的にはセカンドグレードに当たる事もあるためか、重量的にはそれほど軽量さは無く、堅実な重量。

耐久性も売りなモデルなので、路面状況を気にせずガンガン走れそうではあります。

シーラントを追加する事を考えるとちょっと重いけど、ヒルクライムメインで考えるなら24Cを履くのも有り。

フックレスリムには28C以上のタイヤ幅の物とのことなので、24Cと26Cはフックレスリムは不可。

 

 

コンチネンタル

GRAND PRIX 5000S TR 25C  250g(税込13,000円)

GRAND PRIX 5000S TR 28C  280g(税込13,000円)

GRAND PRIX 5000S TR 30C  300g(税込13,000円)

 

2021年に発表されたGP5000S TRはクリンチャータイヤで評判の良いGP5000のバージョンアップ版。

パリルーベを制したタイヤでもあり、耐パンク性も多いに期待できる物でありながら、25Cで250gの軽さを誇る。

アジリストやS-LIGHTに比べれば重いですが、前作のGP5000TLよりパンク耐性が強化されつつこの重量なので、路面を気にせずガツガツ走れるタイヤであれば、むしろこの重量はチューブレスレディタイヤとしてはかなり軽量と言えるでしょう。

万能タイヤGP5000譲りの転がりや乗り心地が期待でき、正に言う事なしのタイヤ。

高性能チューブレスタイヤの大本命。

ネックは価格が高く、割引されてても割引率が低いことか。

 

 

 

ミシュラン

POWER CUP TLR 25C  270g(税込11,000円)

POWER CUP TLR 28C  285g(税込11,000円)

POWER CUP TLR 30C  300g(税込11,000円)

 

POWER CUPはコンパウンドに抜群の転がり抵抗の低さを誇る同社のPOWER TTクリンチャータイヤと同じGUM-X TECHNOLOGYを採用したタイヤ。

チューブレスレディモデルは25Cで270gと平均的な重量ですが、28Cが285g、30Cが300gとタイヤ幅が広くなった場合の重量増加の割合が比較的低くなっており、30CではGP5000S TRと同じ重さとなっています。

ワイドリムに合わせ、太めなタイヤを履きたい場合には、是非候補に入れたいタイヤです。

 

 

ピレリ

P ZERO RACE TLR SL 26C  245g(税込¥15,300)

P ZERO RACE TLR SL 28C  275g(税込¥15,300)

ピレリのハイエンドチューブレスレディタイヤは、重量が26Cで245gという軽量性でありながら、耐パンクベルトを備え日常のライドにも使用可能という万能タイヤ。

25Cより太い26Cというタイヤ幅でありながら、他社の25Cより軽量なのがポイントです。

これで耐久性に期待できれば、普段から使いたいタイヤですが、ネックは高級チューブラータイヤ並みの価格。

定価で買ったら前後で3諭吉は、財布も軽くなりますねぇ、、、


26Cはフックレスリムには未対応だが、28Cはフックレスリムに対応したタイヤとなっているとの事。

 

 

スペシャライズド

S-WORKS TURBO RAPIDAIR 2BLISS READY T2/T5 26C  230g(税込12,100円)

自転車総合メーカーのスペシャライズドから発売されているRapidAirの名を冠したチューブレスレディタイヤ。

耐パンクベルトを備えたタイヤでありながら26Cで230gという重量は、他メーカーに比べ頭一つ抜きん出た軽量性を持っている。

既にグランツールで実績のあるタイヤであるので耐久性にも期待できそうです。

惜しむらくは、スペシャライズド取扱店かスペシャライズド公式通販でしか買えないこと。

S-WORKS TURBO RAPIDAIR 2BLISS READY T2/T5 TIRE 700X26C(700X26C ブラック): タイヤ&チューブ|スペシャライズドオンラインストア

 

 

まとめ

メーカー

品名

タイヤ幅

重量(g)

フックレス対応※

Panaracer

AGILIST TLR

25

220

 

AGILIST TLR

28

250

 

AGILIST TLR

30

270

IRC

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS RBCC

25

275

 

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS RBCC

28

310

 

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS RBCC

30

340

 

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS READY S-LIGHT

25

220

 

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS READY S-LIGHT

28

255

 

FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS READY S-LIGHT

30

275

Vittoria

CORSA N.EXT TLR

24

260

×

 

CORSA N.EXT TLR

26

285

×

 

CORSA N.EXT TLR

28

300

 

CORSA N.EXT TLR

30

310

Continantal

GRAND PRIX 5000S TR

25

250

 

GRAND PRIX 5000S TR

28

280

 

GRAND PRIX 5000S TR

30

300

Michelin

POWER CUP TLR

25

270

 

POWER CUP TLR

28

285

 

POWER CUP TLR

30

300

Pirelli

P ZERO RACE TLR SL

26

245

×

 

P ZERO RACE TLR SL

28

275

Specialized

S-WORKS TURBO RAPIDAIR 2BLISS READY T2/T5

26

230

※フックレスの対応か否かは、タイヤメーカーあるいはホイールメーカー等の情報に基づき記していますが、場合によっては非推奨であったり、組みつけが難しい場合もありますので、ご自身での判断が必要となります。ご注意ください。

 

 

今回のチューブレスタイヤ編では、リムのワイド化とフックレスリムが普及し始めている事を鑑み、30Cのタイヤもピックアップしました。

 

2022年はロードバイク用タイヤはなかなか豊作とも言える年で、選ぶのが悩ましくも楽しい。

 

チューブレスタイヤはクリンチャータイヤ以上にハイエンドタイヤのラインナップが拡充されてきている印象があります。

 

その重さは割とバラバラで、軽量な物は耐パンクベルトがなく普段使いでの使用を躊躇してしまう物があったり、シーラントを入れる事を考えると重量が嵩んでしまったりと、なかなか選択が難しいなと感じました。

 

私としては、どれを使ってみたいかと言うと、レースでの実績抜群であり、チューブレスレディタイヤのベンチマークとなり得るコンチネンタルのGP5000S TRでしょうか。

 

ただ、高価であり海外サイトでもほとんど値下げ販売されないので、購入に躊躇してしまっています。

 

また、私的には今回取り上げなかったメーカーであるハッチンソンとシュワルベにも今後、期待したいと思っています。

ハッチンソンはロード用チューブレスタイヤに関しては、IRCと並ぶ老舗であり、6、7年前まではチューブレスといったらIRCかハッチンソンくらいしか選択肢はありませんでした。

シュワルベはロード用チューブレスレディタイヤの火付け役な存在で、早い段階でチューブレスイージーと銘打ってONEシリーズを展開してきました。

この2社のチューブレスレディタイヤを使用した事がありますが、非常に滑らかに転がり、乗り心地が抜群によかったのを覚えています。

どちらともこの2、3年はロード用に関しては沈黙していますので、そろそろ何かしら動きがあってもいい頃かなぁ、と。

 

 

 

Continental - Grand Prix (グランプリ) 5000 S Tubeless-Ready ロードタイヤ

 

 

 

ヒルクライムで使いたいタイヤはどれだ!? 2022年各メーカーの最新タイヤ重量まとめ①クリンチャー編

ロードバイクで路面に直に接するのがタイヤだけ。

当たり前ですが、タイヤはロードバイクにおいて走行感を左右する最も重要な要素と言える物です。

そして常に重力に引っ張られるヒルクライムでは、やはり軽量性を求めたいところですね。

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ロードバイク用タイヤでは2020年に新ETRTOが定められ、メーカーがそれに合わせてタイヤを発表しつつあります。


今回は重要な構成要素であるタイヤについて、昨今発売された中で使ってみたい物を幾つかまとめてみました。

タイヤ幅は24C〜28Cとし23Cは除外。

理由としてはホイールが内幅19C以上のワイドリムが主流となっている事、新ETRTO基準が622×19からとなっており、25Cと28Cタイヤはこれに基づいて造られる事になっているからです。

また国内でも手に入りやすそうな物をピックアップしました。

 

パナレーサー

AGILEST 25C  190g(税別定価5700円)
AGILEST 28C  210g(税別定価5700円)
AGILEST LIGHT 25C  170g(税別定価6200円)

2022年の日本ではかなり話題になったタイヤ アジリスト。
その軽量さから富士ヒル前にはほとんどのショップで品切れ状態でした。
ノーマルアジリストの25Cで190gという軽量さ。

28Cでも210gと他社の25Cのタイヤ並みです。


アジリストライトは25Cで170gは反則級の軽さです。
ここまで軽いとパンク耐性や耐久性が気になるので、使うならノーマルアジリストかなぁ。

日本メーカーなので製品ごとの誤差も少ないと考えられます。

試してみたいタイヤ。というか試すべきタイヤでしょう。

価格も抑えられており、税抜き5700円〜という最新モデルにしては安い。

これはありがたい。

 

 

 

 

IRC

ASPITE PRO RBCC 25C  220g(税込7480円)
ASPITE PRO RBCC 28C  250g(税込7480円)
ASPITE PRO S-LIGHT 25C  200g(税込7480円)
ASPITE PRO S-LIGHT 28C  220g(税込7480円)

チューブレスタイヤに一日の長のあるIRCも新しいクリンチャータイヤASPITEを発売。

なかなか堅実なラインナップで、RBCCモデルは軽量とは言い難い重さではあるので、ヒルクライム用というよりオールラウンドモデルですね。

S-LIGHTモデルはなかなかの軽量性があり、耐久性に期待できれば、これの選択もあり。

RBCCもS-LIGHTも価格は税込7480円。

安くはないけど、手を出せない価格ではないですね。

 

 

 

ヴィットリア

CORSA N.EXT 24C  190g(税込7997円)
CORSA N.EXT 26C  200g(税込7997円)
CORSA N.EXT 28C  210g(税込7997円)

ヴィットリアから発売された新ETRTO基準のクリンチャータイヤCORSA N.EXT。

レース仕様のコルサとトレーニング向けのルビノの間を埋めるモデルとして、レースでも使え、耐久性も高いという万能タイヤ。

細目の24Cでは190g、太めの28Cでは210gとアジリストと同等の軽さを誇ります。

ヴィットリアタイヤのグリップ感と転がり感は割と好きなので試したいタイヤの1つです。

トップグレードではないため価格も抑えられており、海外メーカーの最新タイヤとしては導入しやすい価格であることも魅力的。

 

 

 

コンチネンタル

GRAND PRIX 5000 25C  225g(税込11000円)
GRAND PRIX 5000 28C  240g(税込11000円)

グランプリ5000クリンチャーは発売されて、しばらく経つので、ビックアップするのはどうかと思いましたが、定番中の定番レースタイヤなので入れてみました。

新たに発売された前述のタイヤに比べると重いですが、グリップ、転がり、耐久性は一級品。

現在25Cを使用中ですが、漕ぎ出しや登坂でその重さが特に気になった事はありません。

ヒルクライム後のダウンヒルで非常に

安心感があるので、ある意味ヒルクライムでも使いたいタイヤとも言えますね。

 

 

 

 

ミシュラン


POWER CUP 25C  215g(税込8690円)
POWER CUP 28C  240g(税込8690円)

ミシュランPOWERシリーズの最新作というPOWER CUP。

前作POWER ROADよりも転がり抵抗が12~15%向上して堅牢度もアップしているとの事。

重量的には重くもないけど、特別軽量でもないですね。


このタイヤ2022年発売のモデルですが、新ETRTOを基準として造られていないとの話しがあるので、実際にホイールに嵌めたときのタイヤ幅が気になるところ。

 

価格は税込8690円とプロが使うタイヤとしては抑えられている。

 

ミシュラン独特のモチモチのグリップ感が好きならば、試す価値あり。

 

 

 

ピレリ


P ZERO RACE 26C  205g(税込13500円)
P ZERO RACE 28C  225g(税込13500円)

P ZERO RACE は新ETRTO規格に準拠したハイエンドタイヤ。

26Cで205gの軽さを誇ります。

以前は24Cもあったような気がしますが、カタログには載っておりませんでした。

廃盤になってしまったのですかね。

私の場合ピレリのタイヤは、今はもう無い25CのP ZERO RACEを使用した事がありますが、軽快に走り癖のない優等生的なタイヤだったように思います。

値段が高くなってしまって手が出しづらいタイヤですが、良いタイヤなのは間違いない。

 

 

まとめ

 

メーカー

品名

タイヤ幅

重量(g)

Panaracer

AGILIST

25

190

 

AGILIST

28

210

 

AGILIST LIGHT

25

170

IRC

ASPIDE PRO RBCC

25

220

 

ASPIDE PRO RBCC

28

250

 

ASPIDE PRO S-LIGHT

25

200

 

ASPIDE PRO S-LIGHT

28

220

Vittoria

CORSA N.EXT

24

190

 

CORSA N.EXT

26

200

 

CORSA N.EXT

28

210

Continantal

GRAND PRIX 5000

25

225

 

GRAND PRIX 5000

28

240

Michelin

POWER CUP

25

215

 

POWER CUP

28

225

Pirelli

P ZERO RACE

26

205

 

P ZERO RACE

28

225

 

重量を比較しやすいよう、表にしてみました。

やはりアジリストライトは群を抜いて軽いですね。

使ってみたいといえばそうなんですが、以前国内メーカーB社の超軽量タイヤを履いた時、パンクを連発した記憶があり、あまり軽量なのは未だ怖いのです笑

 

コンチネンタルとミシュランは比較的重いように思えますが、両メーカー共にグリップと転がりには定評があり耐久性にも優れるので、買って後悔する事は間違いなく無いタイヤだと思います。

まぁ今回、紹介したタイヤはどれもそれぞれに魅力のあるタイヤですのでどれを選んでも後悔することはないでしょう!

 

次回はチューブレスタイヤについて同様にまとめる予定でいます。

 

 

タイヤは下記の海外通販サイトが安い事が多いです。

 

 

モデルチェンジされたCanyon Ultimate は何が違うか

アルティメットは安定感が有りありロングライド向け。
エアロードは反応が良くシャキッとした走行感でレース向け。

これは以前の試乗会で2つを乗り比べたときの印象です。

その試乗会はもう3年も前の話。

その後、両モデルともモデルチェンジがなされました。

エアロードは2020年にモデルチェンジ。

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そして、2022年9月に新型、第5世代のアルティメットが発生され、私が所有しているアルティメットは旧モデルになってしまいました…。

 

新しいモデルチェンジしたアルティメットは、今シーズン初頭からプロトタイプが使用かれており、2022年8,9月に行われたブエルタアエスパーニャでモビスターチームがメイン機材として使用。

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既に発表が秒読み段階でしたが、ブエルタ中での発表となりました。


さて新しい第五世代のアルティメット。

前作第4世代とどの様な違いがあるのか!?


まず、最初に目が行くのはコックピット周りのケーブルが完全内装となった事。

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昨今のバイクはケーブル完全内装が当たり前のようになっており、トレックやスペシャライズド等では、ミドルグレードのフレームでさえ、ハンドル、ベッド周りのケーブルの露出を極力排除する造りになっている。

新型アルティメットは、ハンドルステムを新型エアロードのそれを流用しており、ケーブル完全内装に加え、ハンドル幅が可変できる仕組みとした。

アルティメットは軽量バイクであるが、空気抵抗を最も受けるフロント部分であるハンドルに、エアロードで培った空力を取り入れた形となる。

また、フレーム形状も空力を意識したアップデートがなされているが、第4世代のアルティメットでも既にエアロチュービングがなされており、フォークにもカムテールデザインが取り入れらている。

上の写真2つは旧型アルティメット。

ブレーキホースが出ているがエアロダイナミクスを考えた造形

 

そのため、フレーム自体の空力性能が向上したかというと、おそらくそれほどではないと思われる。

 

空力でアップデートしたポイントとしては、ハンドルステムに加え、シートポストの形状がD型に変更された。

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D型のチューブは、翼断面形状の後ろをカットしたカムテール形状となるため、丸型のシートポストより空力が良い。

さらにしなりが効き乗り心地が良いとされる。

 


フレームのジオメトリーを見てみましょう。

全てのサイズを比較するのは難しいので、私が乗っているXSサイズのジオメトリーで見てみます。

 

 

ULTIMATE 4th

ULTIMATE 5th

AEROAD

ENDURACE

適性身長(cm

166-172

166-172

166-172

-172

サドル高(mm

658-758

654-754

658-734

653-753

シートチューブ(mm

467

450

473

462

トップチューブ(mm

529

529

533

527

ベッドチューブ(mm

107

107

109

115

ベッド角

71

71.2

71.5

71

シート角

73.83

73.9

73.5

72.7

チェーンステー(mm

415

410

410

415

ホイールベース(mm

988

979

977

982

スタック(mm

522

520

521

532

リーチ(mm

378

378

378

378

スタンドオーバーハイト(mm

748

748

759

750

BB下がり(mm)

72

73

75

75

 

表の左から
第4世代アルティメット
第5世代アルティメット(新型)
現行エアロード
現行エンデュレース
 となっております。

 

参考にエアロードとエンデュランスモデルのエンデュレースも載っけてみました。

 

第4世代(以降旧型)アルティメットから第5世代アルティメット(以降新型)アルティメットの変更点としては、

シートチューブが短くなった
チェーンステーが短くなった
ホイールベースが短くなった

この3点が大きく変わっています。

 

新型になりフレームのねじり剛性が15%高くなったとの情報がありますが、おそらくリアの三角形が小さくなったことも、この剛性の変化に関わって来ていますね。

 

剛性感にも関わりますが、チェーンステーが415→410mmとなったので、フレームとしての反応が良くなり、乗って比較すればいわゆる「掛かりが良い」という感覚を感じ取れることでしょう。

 

因みに上記の表にもありますが、他のバイクのチェーンステーを見るとエアロードは410mm、エンデュレースは415mmとなり、旧型アルティメットはエンデュレースに近く、新型アルティメットはエアロードに近いジオメトリーとなっています。

 

参考までに他のメーカーの同じぐらいのサイズに当たるバイクのチェーンステー長を幾つか見てみましょう。

 

 

スペシャライズド ターマックSL7:410mm

トレック エモンダ:410mm

BMC SLR01:410mm

メリダ スクルトゥーラ:408mm

キャノンデール スーパーシックス:408mm

ピナレロ ドグマF:406mm

ジャイアント TCR:405mm

リドレー ヘリウムSLX:405mm

 

思い付いた所を上げてみましたが、レーシングバイクとなると、やはり410mm以下のチェーンステー長が一般的な様です。

ピナレロ、ジャイアント、リドレーはなかなか短めのチェーンステーで、クイックで俊敏な操作感が期待できる反面、扱うためのテクニックや反応の良さに釣られ脚を使ってしまわない様にページングが求められたりするかもしれません。

あくまでも一面的な見方ですが。


先ほどの表を見ると、旧型アルティメットの415mmというのは、レースバイクというより乗り心地と直進方向性に性能を振っている考えられますね。

 

そして新型アルティメットは410mmのチェーンステー長をもち、レースバイクとしての反応の良さを持つ生まれ変わったのバイクなのでしょう。

 

チェーンステー長が短くなったため、ホイールベースも988→979と9mm短くなりました。

ホイールベースが長いと直進方向性が高くなり安定感のある走行感が望める反面、加速性の低下やハンドリングが重くなるという欠点があります。

レース用バイクフレームで私が乗るサイズでは、970〜980mm程のホイールベースを持つフレームが多いです。

以前、ホイールベースが968mmのバイクに乗っていましたが、ハンドリングがかなりクイックで、いわゆるピーキーと言ったら良いでしょうか、慣れるまでカーブが怖かった記憶があります。

ただ慣れればコントロールするのが楽しく、加速性にも優れた良いバイクでした。

 

新型のアルティメットはホイールベースが979mmとなり、これを見てもレース用に振ってきている事が伺えます。

 

ポジショニングに関わってくる部分の
トップチューブ
リーチ
ベッドチューブ
スタック
辺りは変化無し、または僅かな変更なので基本的にポジションを作る際は、特段変わりなくセッティングする事ができそうです。

 

今回は新型アルティメットと旧型アルティメットのフレームジオメトリーから、アルティメットがどうアップデートされたかを見てみました。

私の乗るフレームサイズでの話でしたが、サイズが変わっても、考え方は変わりません。

何かの参考になれば幸いです。

 

 

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